VTuber活動をしていくなかで、NFTを販売してみたいと考えることがあるかもしれません。
しかし、次のような疑問や悩みを抱え、なかなか始められないという方もいるでしょう。
- 暗号資産やウォレットといった専門用語が何なのか分からない
- NFT販売に必要な暗号資産の入手方法を知りたい
- 無料で販売する方法があれば知りたい
結論から言うと、NFT販売は個人から始められ、ものの数分でNFTアートを出品することも可能です。
本記事では、NFT販売を始めるために必要なものから出品手順まで、初心者向けに分かりやすく解説していきます。
日本円で販売する方法も紹介するので、NFT販売を考えている方はぜひ本記事を最後までご覧ください。
NFTを発行するのに必要なもの4つ

ここでは、NFTを発行する際に必要となる以下4点について解説します。
- 暗号資産用ウォレット
- 取引所の口座
- 販売手数料を支払うための暗号資産
- NFT化するコンテンツデータ(画像・動画など)
1~3の入手方法は記事中で解説しますが、4については自身で用意してください。
1. 暗号資産用ウォレット
NFT販売を始めるには、NFTや暗号資産を保管するための「ウォレット」が必要です。
ウォレットは多種多様で、種類によって使えるプラットフォームやブロックチェーンが異なります。
今回記事中で紹介するのは、最も広く使われているウォレットの一つであるMetaMask(メタマスク)です。

個人のNFT販売サイトではMetaMaskのみ対応しているケースもあるので、とくにこだわりがなければMetaMaskをインストールしましょう。
2. 取引所の口座
暗号資産を購入できる、暗号資産取引所の口座を開設する必要があります。
国内の暗号資産取引所でアカウントを作成し、本人確認を完了することで口座を開設できます。
海外の取引所で口座開設することも可能ですが、銀行振込などで日本円を直接入金できないので注意してください。
今回は、1円単位で暗号資産を購入できてセキュリティ性が高いbitFlyer(ビットフライヤー)を利用します。

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3. 販売手数料を支払うための暗号資産
NFTを出品する際にかかる手数料を支払うための暗号資産を用意します。
暗号資産やNFTの通り道であるブロックチェーンでは、送金や送付といった取引をするたびに「ガス代」と呼ばれる手数料がかかります。
NFT販売プラットフォームでの手数料が無料だとしてもガス代がかかる場合があるため、基本的に暗号資産は必要だと認識しておくと良いでしょう。
必要な暗号資産の種類は利用するブロックチェーンによって異なり、混雑具合などの要因によって金額は常に変動しています。
主要なブロックチェーン | ガス代(ネイティブ通貨) | 日本円換算 |
---|---|---|
Ethereum (ETH) | 約 0.00016 ETH | 約 737 円 |
Polygon (POL) | 約 0.01 POL | 約 2.25 円 |
Solana (SOL) | 約 0.00001 SOL | 約 0.15 円 |
BNB Chain (BNB) | 約 0.0005 BNB | 約 2.85 円 |
Avalanche (AVAX) | 約 0.002 AVAX | 約 7.2 円 |
Arbitrum (ETH互換) | 約 0.00002 ETH | 約 92 円 |
Optimism (ETH互換) | 約 0.00005 ETH | 約 230 円 |
4. NFT化するコンテンツデータ(画像・動画など)
当然、NFTとして販売するコンテンツデータも必要です。
画像や動画などのコンテンツデータをNFT化することでNFTを発行するため、コンテンツ自体に特別な処置は必要ありません。
NFT化できるデータ形式は利用するプラットフォームによって異なるため、コンテンツを作成する際は注意してください。
なお、今回NFT化する際に利用するOpenSeaでは以下の形式に対応しています。
- 画像:JPG、PNG、GIF、SVG
- 動画:MP4
- 3Dモデル:GLTF、GLB
- その他:WEBM、M4V、OGVなど
MetaMaskの入手方法と初期設定

ここでは、NFT販売に欠かせないMetaMaskウォレットの入手方法と初期設定について、以下の順で解説します。
- 公式サイトからダウンロードする
- パスワードを設定する
- シークレットリカバリーフレーズを保管する
- 自分のアドレスを確認する
1. 公式サイトからダウンロードする
ブラウザの拡張機能ストアや、スマホのアプリストアでMetaMaskをダウンロードします。
これらのダウンロードページにアクセスするには、MetaMaskの公式サイトを経由するのが確実です。
公式サイトのダウンロードページで、使用しているデバイスやブラウザを選択しましょう。

2. パスワードを設定する
ダウンロードしたアプリをインストールできたら、MetaMaskを起動してアカウントを作成します。

利用規約に同意したあと、「新規ウォレットを作成」を選択しましょう。

アカウント作成にはGoogleやAppleのアカウントを利用できます。
「シークレットリカバリーフレーズで続ける」を選んだ場合は、アカウントでログインする代わりにパスワードを設定してください。

アカウント利用またはパスワード設定によって、MetaMaskのアカウントが作成されます。
3. シークレットリカバリーフレーズを保管する
アカウントを作成すると、12個の英単語からなる「シークレットリカバリーフレーズ」が表示されます。

シークレットリカバリーフレーズとは、ウォレットを別のデバイスで共有したり、復元したりする際に要求される合言葉です。
万が一このフレーズが他人に知られてしまうと、ウォレットに自由にアクセスして資金を盗まれてしまう危険性があります。
必ず紙などに書き留めて、誰にも見られない安全な場所に保管してください。
4. 自分のアドレスを確認する
シークレットリカバリーフレーズを確認してダッシュボードまで進めば初期設定は完了です。
左上部に書かれているアカウント名の下に記載された英数字の文字列が、現在MetaMaskで表示されているアカウントのウォレットアドレスとなります。

暗号資産取引所などから暗号資産を送金する際は、このアドレス部分をコピーして貼り付けるようにしましょう。
ちなみに、「右上のメニューバー > アカウントの詳細 > アドレス」を選択することで、省略されたアドレスを全表示できます。
取引所で暗号資産を購入する方法

NFTを販売するために暗号資産が必要な場合、以下の手順で暗号資産を入手してください。
- bitFlyerで口座を開設する
- 日本円を入金する
- ETHなど必要な暗号資産を購入する
- MetaMaskウォレットに出金する
1. bitFlyerで口座を開設する
bitFlyerの公式サイトにアクセスして口座を開設しましょう。
以下の紹介リンクから口座開設すると1,500円分のビットコインを手に入れられます。
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公式サイトでは、画面の指示に従って以下の手順をこなしてください。
- 新規アカウントを開設する
- 本人確認資料を提出する
- 銀行口座情報を登録する

2. 日本円を入金する
取引所の口座が使えるようになったら日本円を入金します。
銀行振込、インターネットバンキング、コンビニ入金に対応しているので、いずれかの方法で入金してください。
ただし、bitFlyerに登録していない銀行口座から入金すると反映されない可能性があるので要注意。
3. ETHなど必要な暗号資産を購入する
口座に日本円を入金したら、必要な暗号資産を購入します。
NFTを発行するブロックチェーンによって必要な銘柄が異なるため、事前に確認しておきましょう。
例えば、Ethereum(イーサリアム)チェーンを利用する場合はETH、Polygon(ポリゴン)チェーンを利用する場合はPOLを購入します。
メニューの「販売所」から取引画面に移動し、購入する銘柄や数量を決めて「買う」ボタンで購入してください。

4. MetaMaskウォレットに出金する
購入した暗号資産は取引所の口座に保管されている状態なので、MetaMaskに出金します。
メニューの「入出金」ボタンで出金したい暗号資産を選択してください。

送金先のアドレスと出金額を設定して出金を実行したら、ウォレットに着金するまで待ちましょう。
暗号資産の種類によっては数十分~数時間かかるケースもあるので、時間に余裕をもって出金してください。
OpenSeaでNFTを発行・販売する手順

ここでは、世界最大級のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaでのNFT発行・販売手順について、以下の順で解説します。
- OpenSeaでウォレットを接続する
- NFTコレクションを作成する
- NFTを発行する
- NFT詳細画面から出品する
1. OpenSeaでウォレットを接続する
OpenSeaでMetaMaskウォレットを接続し、アカウント作成およびログインを実行します。
OpenSeaの公式サイトにアクセスし、画面右上のウォレット接続ボタンをクリックしてください。

認証方法にMetaMaskを選択すると、ウォレットが起動して接続の許可を求められます。

接続を承認することで、とくに細かい設定などをすることなくログインが完了します。
NFTを販売する前に、メニューから開けるプロフィール画面で、メールアドレスや画像などの情報を入力して設定を完了させておきましょう。

2. NFTコレクションを作成する
次に、NFT作品をまとめる「コレクション」を作成します。
OpenSeaの左側にあるメニューの「スタジオ」からスタジオ画面を開いて「新規作成」ボタンを押してください。
「コレクションを作成」を選択し、以下の項目を設定します。
- コレクション画像
- コレクションの名前
- トークン記号
- チェーン
「契約を公開する」ボタンを押し、ウォレットでガス代支払いなどの処理をすることでコレクションが作成されます。

コレクションの詳細画面に移動すると説明文などを設定できるので、こちらも変更しておきましょう。

3. NFTを発行する
作成したコレクションにNFTを追加・発行します。
NFTを追加したいコレクションの詳細画面に移動し、メニューで「メディア&メタデータ > アップロード」を選択してください。

NFTの設定画面になるので、以下項目を設定しましょう。
- アイテムのアップロード(画像など)
- アイテム名
- 供給(数量)
- 説明
- URL
- 特性
特性には、コレクション内でNFTを差別化する要素を追加すると良いでしょう。
設定できたら「ミント」ボタンを押してNFT発行処理を進めます。

トランザクションを承認すれば、アイテムとしてNFTが発行されます。

異なるNFTを発行したい場合は、必要な数だけアップロードをくり返してください。
4. NFT詳細画面から出品する
NFTの発行が完了したら、価格を設定して出品します。
コレクションの詳細画面の右上にある「コレクションを表示」ボタンからコレクションページに移動してください。

コレクションに含まれているNFTが一覧表示されるので、販売したいものを選択しましょう。

NFTの詳細画面に移動するので、「販売のため出品」ボタンを押します。

すると「リスティングを作成」ウインドウが表示されるので、価格や販売期間などを設定してください。

「リスティングを確認」ボタンを押し、ウォレットで署名を実行すると、NFTのリスティング(出品)完了です。
コレクションページを共有して、販売しているNFTを宣伝すると良いでしょう。
日本円で購入してもらう方法4選

ここまでOpenSeaでの出品方法を解説してきましたが、ユーザーに暗号資産を買ってもらう必要があるためハードルが高いです。
そこで、日本円で買ってもらえるOpenSea以外の販売方法として、以下4つを紹介します。
- 日本円に対応したNFT販売プラットフォームを使う
- メルカリNFTを利用してもらう
- Stripeなどの決済サービスを活用する
- 購入とNFT送信を別システムにする
1. 日本円に対応したNFT販売プラットフォームを使う

以下のように、国内には日本円での決済に対応したNFT販売プラットフォームが存在します。
- HEXA(ヘキサ)
- nanakusa(ナナクサ)
- ユニマ
これらのプラットフォームでは、出品者と購入者の双方が暗号資産の知識をほとんど持っていなくてもNFTを売買できます。
出品者は日本円で収益を受け取ることができ、購入者は銀行振込やクレジットカードで簡単に支払いが可能です。
OpenSeaに比べると市場は小さいですが、これからNFT販売を始めるのであれば利用しやすいでしょう。
2. メルカリNFTを利用してもらう

フリマアプリのメルカリ内でNFTを売買できるサービス「メルカリNFT」を利用する方法です。
メルカリNFTでは、OpenSeaの特定チェーン上で販売されているNFTを閲覧・購入できます。
購入者はメルカリポイントやメルペイ残高で支払えるため、購入ハードルを低くできるでしょう。
ただし、メルカリNFTで購入したNFTは外部ウォレットへ移動できず、メルカリ外で流通できなくなるので注意してください。
3. Stripeなどの決済サービスを活用する

Stripe(ストライプ)など、日本円が使えるオンライン決済サービスを活用する方法です。
ShopifyなどのECサイトプラットフォームや、自分のホームページなどで独自にNFTストアを構築することで、クレジットカードを用いた日本円支払いが実現できます。
販売ページを自由にカスタマイズできるため、NFTコレクションの特色を前面に出した販売が可能となるでしょう。
ただし、ウォレットを認証する販売ページを作る必要があるため、販売者側のハードルが高くなるのが難点です。
4. 購入とNFT送信を別システムにする
より自由な形式で日本円販売を実施したい場合、支払いシステムとNFTの送信システムを分ける方法があります。
具体的には、自身のウェブサイトなどで支払いページを作成し、購入者が日本円で支払いを完了した後に、その購入者のウォレットアドレスに個別にNFTを送信する形式です。
この方法は手間がかかるものの、独自の販売形式や特典などを自由に設定できるメリットがあります。
しかし、プラットフォームを使わない取引はスキャム(詐欺)だと警戒されやすいので、売り出し方には工夫が必要になるかもしれません。
NFTコンテンツ販売に関するQ&A

NFTのコンテンツ販売に関する、よくある質問と回答を紹介します。
- OpenSeaで発行したNFTをメルカリで売れますか?
- ガス代を無料にするにはどうすればいいですか?
- NFTは著作権保護にも使えますか?
- 暗号資産での売上に税金はかかりますか?
OpenSeaで発行したNFTをメルカリで売れますか?
メルカリNFTで購入したものを販売することは可能です。
しかし、メルカリNFTには外部ウォレット内のNFTを出品する機能が提供されていないため、発行後すぐに持ち込んで売ることはできません。
メルカリNFTで販売する前に、OpenSeaで売ることを検討したほうが良いかもしれません。
ガス代を無料にするにはどうすればいいですか?
ガス代はブロックチェーン上で発生するため、基本的に無料にすることはできません。
Polygonチェーンなどを利用すれば数円~数十円程度でNFTを発行できるので、出費が気になるのであれば安価なブロックチェーンを選ぶと良いでしょう。
ただし、ガス代が高いブロックチェーンのほうが、NFTの価格も高く設定しやすい傾向にあります。
NFTは著作権保護にも使えますか?
画像などのコンテンツをNFT化するだけでは著作権を保護できません。
NFTはあくまで所有権や取引履歴を記録する技術であり、画像をスクリーンショットなどでコピーされることは防げません。
実物のアート作品に鑑定書を付けて本物だと証明できても、贋作が作られるのを防げないことと同じです。
著作権を保護するには、さらなる仕組みが必要となります。
暗号資産での売上に税金はかかりますか?
NFTの販売で得た利益には、所得税が課税されます。
一般的に、NFTの販売で得た所得は「雑所得」に区分されることが多いです。
ただし、クリエイターとしての活動が事業規模に達している場合は、「事業所得」と見なされる可能性もあります。
所得の区分によって計算方法や控除額が異なる場合があるため、自身の状況に応じて税理士などの専門家に相談するのが一番です。
まとめ
本記事では、NFT販売に必要なものから、出品する手順、日本円で販売する方法までを詳しく解説しました。
最後に、記事の内容をおさらいしておきましょう。
- NFT販売には、ウォレットや暗号資産、コンテンツデータが必要不可欠
- NFTマーケットプレイスOpenSeaではコレクション作成やNFT発行が可能
- 日本円で購入してもらうには、日本円対応のNFTマーケットプレイスを活用するなどの方法がある
- NFTの売上は、原則として雑所得として扱われることが多い
NFT販売は、VTuberやクリエイターにとって新たな収益源となるだけでなく、世界中の人々に作品を届けられる可能性を秘めています。
ぜひ、この記事で紹介した手順を参考に、NFT販売にチャレンジしてみてください。